HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38368 Content-Type: text/html ETag: "1609e5-165a-c7c07800" Expires: Thu, 17 Feb 2011 23:45:45 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 17 Feb 2011 23:45:45 GMT Connection: close 大相撲改革 「八百長は厳罰」の規定を作れ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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大相撲改革 「八百長は厳罰」の規定を作れ(2月18日付・読売社説)

 昨年の野球賭博事件を機に、外部有識者らで組織された独立委員会が日本相撲協会の組織改革案をまとめた。

 大相撲の信頼回復には協会組織の抜本改革が必要だ。だが、待ったなしの課題は、改革案が触れなかった八百長問題の実態解明と再発防止の徹底である。

 独立委はこれまで、協会が公益法人として存続していくための組織のあり方を検討してきた。

 野球賭博事件の際、協会は自己申告した力士を厳重注意にとどめ、幕引きを図ろうとした。問題意識の希薄さと危機管理能力の欠如を露呈した。

 独立委が改革の柱の一つに、理事会の大幅な体制見直しを据えたのは、そうした甘い体質の排除を求めたものだろう。

 12人の理事のうち、力士出身でない外部理事は現在2人だが、これを半数にまで増やすように要請している。

 外部の視点で旧弊を改め、閉鎖体質から脱皮していくことこそ抜本的な改革には欠かせまい。

 野球賭博事件を受け、協会は昨年夏に「暴力団等排除宣言」を行った。その際、独立委は宣言の中に、賭博とともに八百長にも罰則を科すとの一文を明記しようとしたが、「八百長はない」とする協会が反発して実現しなかった。

 今や、協会の主張は完全に崩れ去ったと言えよう。

 独立委の主な任務が組織改革の検討だったとはいえ、目下最大の関心事である八百長問題の対策に言及がなかったことには物足りなさが残る。

 八百長には厳罰をもって臨むという強い姿勢を打ち出せと、答申で指摘すべきだった。

 「国技」としての信頼を失墜させた八百長は、これまでの“土俵外”の不祥事に比べ、はるかに悪質な行為だ。この解明なしに大相撲の改革は前へ進まない。

 プロ野球の野球協約には、八百長を禁じ、八百長行為をした選手らを「永久失格処分」とする規定がある。サッカーのJリーグ規約も「試合の結果に影響を及ぼす恐れのある不正行為に一切関与してはならない」と定めている。

 大相撲に必要なのは、こうした明確な規定だ。八百長に関与した力士らは除名にするなどと明記することが、再発防止の第一歩につながるだろう。

 八百長の実態調査は長期化の様相を見せている。すべてのウミを出し切らない限り、本場所再開の道は遠のくことを、協会は肝に銘じるべきだ。

2011年2月18日01時20分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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