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2月18日付 編集手帳

 蔵相や日本銀行総裁を務めた一万田尚登(いちまだひさと)氏は言い間違えの“名作”を残している。〈ロード公団〉(道路公団)、〈ヨセイホサン〉(補正予算)、〈お茶飯(ちゃめし)前〉(お茶の子さいさい、朝飯前)◆〈机上の楼閣〉(机上の空論、砂上の楼閣)というのもある。現実を見ず、頭の中だけで夢のような政策を組み立てることを言い表すとき、正しい言い回しよりも感じが出ていて面白い◆消費税からは逃げ、バラマキで歓心を買う――民主党の政権公約は、社会保障費の膨張と危機的な財政から目をそむけた〈机上の楼閣〉であったろう。遅ればせながらも菅内閣が現実に目覚め、見直しに動き出したのは当然の成り行きである◆それに反発する小沢一郎氏に近い衆院議員16人が民主党からの会派離脱を申し合わせた。「国民との約束を守れ」と首相に揺さぶりをかけている。党内の権力争いにせよ、幻の楼閣にしがみつくのはいかにも筋が悪い◆一万田語録にいわく、〈焼け板に水〉(立て板、焼け石)。ただでさえ(もろ)くなった政権交代の「焼け板」に、内紛の「水」をかければどうなるか。愚かな実験は、しないに限る。

2011年2月18日01時22分  読売新聞)
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