HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38821 Content-Type: text/html ETag: "e6de-1660-5f902ec0" Expires: Mon, 14 Feb 2011 22:22:03 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 14 Feb 2011 22:22:03 GMT Connection: close 米グラミー賞 時代の変化示す日本勢の活躍 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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米グラミー賞 時代の変化示す日本勢の活躍(2月15日付・読売社説)

 日本の音楽ファンにとって大きな朗報だ。

 米音楽界で最高の栄誉とされるグラミー賞を、人気ロックグループB’zのギタリスト、松本孝弘さんと、ピアニストの内田光子さんが受賞した。

 ジャズピアニストの上原ひろみさんと、米国在住の琴演奏家、松山夕貴子さんらがそれぞれ参加した2枚のアルバムも受賞するなど、日本人の活躍が目立った。

 クラシックの世界で国際的に活躍する内田さんを除けば、いずれもポピュラー音楽での活動が評価された。ジャズやポップスの世界でも、日本人の才能が大きく開花したと言える。

 グラミー賞は米音楽界の振興を目的として、1958年に創設された。現在では100を超える部門がある。

 過去、日本人では作曲などの分野で活躍する坂本龍一さんや、シンセサイザー奏者の喜多郎さんらの受賞例がある。

 今回受賞した松本さんは、高度なギター演奏技術で知られ、海外の一流音楽家との共演も多い。大御所ギタリスト、ラリー・カールトンさんとの共作で、最優秀ポップ・インストゥルメンタル(器楽)・アルバム賞に輝いた。

 米英が本場のロック界で、日本人が受賞するのは異例のことだ。日本のロック・ミュージシャンにとって、大きな励みとなったに違いない。

 近年はネット上の動画サイトなどを通じて、最新の音楽が国境を越えて簡単に楽しめる。日米の共演・合作も増えている。そうしたグローバル化の進展が、日本人音楽家のレベルアップにつながっているのだろう。

 ポピュラー音楽の世界で活躍する人々の層も広がっている。

 かつて外交官としてジャマイカに勤務した阿曽沼和彦さんは「レゲエ」と呼ばれるリズム感あふれる現地の音楽に魅了された。外務省を中途退職して音楽界に入り、今回のグラミー賞では、プロデュース作品が候補作となった。

 米国発祥の素朴な音楽として知られる「ブルーグラス」の日本への普及に努めている兵庫県宝塚市の渡辺敏雄さんのプロデュース作品も、候補に残った。

 日本人の作品が候補作に上ること自体難しかった時代を思い起こすと、隔世の感がある。

 洋楽・邦楽の区別なく多様な音楽がファンに楽しまれている。

 今回の受賞を機に、日本の音楽家たちがさらに世界に大きく飛躍していくよう期待したい。

2011年2月15日00時04分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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