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2月14日付 よみうり寸評

 エジプトは〈ナイルの賜物(たまもの)〉といわれる。が、エジプトの歴史は〈抑圧と搾取〉の歴史ともいう◆ナイルはエジプトの砂漠の中に肥沃(ひよく)の地という恩寵(おんちょう)を与えた。が、ナイルの恵みには光とともに影も生じた。エジプトに〈おれに土地と労役をよこせ。おれは水をやるから〉という言葉がある◆豊かなナイルの水の配分と治水を支配するものは抑圧者となって、農民から長く収奪を続けた。その歴史とともにあった王政を倒すナセル中佐ら自由将校団による「エジプト革命」は1952年のことだった◆以来59年。ナセル、サダト、ムバラクの歴代大統領の治世の基盤はすべて軍にあり、うちムバラク政権がサダト暗殺後30年続いた◆その間、ずっと非常事態宣言下にあったとは、やはりこの国の歴史は〈抑圧と搾取〉だったかと暗然とする。抑圧の主、ムバラク大統領辞任。30年が一気に崩壊◆1月、チュニジアの革命が発火点だが、これに続いた若者の不満の爆発をネット社会が増幅させ、超級の高速で崩壊の連鎖を呼んだ。

2011年2月14日14時07分  読売新聞)
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