HTTP/1.1 200 OK Date: Sun, 13 Feb 2011 20:09:27 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:往生際の悪さばかり目立ったテレビ演説が、大統領としては最後…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2011年2月13日

 往生際の悪さばかり目立ったテレビ演説が、大統領としては最後のテレビ出演になった。副大統領への権限委譲を表明したものの、即刻の辞任は拒否していたエジプトのムバラク大統領がついに民衆革命に打ち倒された▼独裁者の末路は哀れである。大統領は家族とともに首都カイロを脱出し、紅海のほとりの保養地に逃れた。国外脱出しなかったのは「エジプトの地に埋まりたい」と演説で訴えた手前のせめてものプライドか▼三十年も独裁者でいる人間は、かくも悪相になるのかと、ムバラク氏の顔をニュースで見るたびに思っていた。副大統領時代の写真を見ると、さっそうとした美男子なのだ▼「四十歳をすぎた人間は、自分の顔に責任をもたねばならない」という言葉を残したのは米国のリンカーン元大統領。重ねた経験がにじみ出るという意味だろう。ムバラク氏の顔には独裁者の権力欲、高慢、猜疑(さいぎ)心が張り付いていた▼英国のチャーチル元首相は「民主主義は最悪の政治体制といえる。これまで試みられてきた民主主義以外のすべての政治体制を除けば」と語った。逆説的にいえば、年に一度首相が交代させられる最近の日本ほど“民主的”な国はないのかもしれない▼菅直人内閣の支持率がとうとう20%を割った。野党時代の溌剌(はつらつ)さを失ってしまったわが宰相の顔に同居しているのは、自信喪失と強がりか。

 

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