
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38660 Content-Type: text/html ETag: "cfa82-16dd-42b2b9c0" Expires: Sat, 12 Feb 2011 23:21:37 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 12 Feb 2011 23:21:37 GMT Connection: close
![]() ムバラク辞任 文民政権への移行を速やかに(2月13日付・読売社説)30年の独裁に終止符が打たれた。国民の大統領退陣要求デモが続いたエジプトで、ムバラク大統領が辞任した。 「現代のファラオ」と呼ばれた権力者も、民衆のエネルギーに 副大統領の発表によれば、大統領権限は軍の最高評議会に移譲された。政権移行プロセスは軍主導で進むことになる。 軍は声明で、全権の掌握は一時的な措置であり、民主的な政権発足に向けて「自由で公正な大統領選を実施する」と約束した。 そうであるなら軍は、エジプト国民の生活と中東地域の安定のため、具体的日程を示し、約束を速やかに実行に移すべきである。 大統領は前日まで、9月に切れる任期を全うする意向を表明していた。突然の辞任は、体制を支えてきた軍が、最終的に大統領を見放したためといえる。 毎年13億ドル(約1100億円)に上る軍事援助を続ける米国のオバマ政権の意向も働いていよう。 政変につながったデモの発端は食料の高騰や経済格差への不満、そして、その状況を改善できない政権の無策と腐敗だった。 ムバラク大統領はデモが膨れ上がる度に、小出しの譲歩を示してきた。だが、それは国民の要求にはほど遠く、騒乱の長期化と多数の死傷者を生む結果になった。その責任は極めて重い。 大統領の辞任で本格的な政権移行が始まる。だが、それが民主的な体制への転換につながるかどうかは、まだ予断を許さない。 エジプトでは、国民の間で軍の人気は高い。国民に銃を向けた過去がなく、第4次中東戦争の緒戦で「アラブの誇り」を取り戻したと考えられているからだ。 一方、王制が崩壊して以来半世紀、歴代大統領は軍が輩出してきた。軍出身者は財界や地方政界にも進出し、最大の利権集団でもあった。軍は、こうした旧体制との決別を明確に示すためにも、政権移行を急がねばならない。 政権移行協議には野党勢力の参加も不可欠である。 政権移行後のエジプトは、イスラエルとの和平を維持し、中東の安定の要であり続けなければならない。そのためには、米国など国際社会の関与も必要だろう。 エジプトの政変は、周辺アラブ諸国にも課題を突きつけた。エジプト同様、長期独裁政権が続いている国は多い。国民の反発で倒されるより、自ら抜本的な改革に乗り出す方が、犠牲が少ないことを指導者は銘記すべきである。 (2011年2月13日01時24分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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