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2月12日付 よみうり寸評

 湘南の青い海や古都・鎌倉の風景を車窓からゆっくり眺められる江ノ電は、根強い人気を誇る電車の一つだろう。路面で車と譲り合うように走る姿はほほ笑ましくもある◆〈単線電車に相応した、屋根の低い古臭い小さな駅である〉。短編の名手として知られた鎌倉文士、永井龍男さんの作品「青梅雨」(新潮文庫)には、かつての江ノ電の藤沢駅が「F駅」として登場する◆昨年、全線開通100年を迎えた。江ノ島電鉄が作成した記念パンフレットによると、開業を目指した明治30年代には人力車組合の激しい反対に遭ったという◆昭和40年代に次々と姿を消していった日本の路面電車だが、近年、復権の動きがある◆次世代型路面電車システム(LRT)と呼ばれ、低床で揺れの少ない車両が特徴だ。高齢者が利用しやすく、環境にやさしい。欧州などで普及し、国内では富山市で本格導入されている◆東京・中央区も2011年度予算案に調査費を計上した。路面電車でのんびり銀座の街をゆく。想像するだけで楽しい。

2011年2月12日14時55分  読売新聞)
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