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2月10日付 よみうり寸評

 〈「ドドーン」大音響を山にこだましながら、見る間に山津波は眼下に押し迫り……丈余の泥流が釜の中の湯のように(たぎ)り、躍り、狂い、山裾の木を根こそぎ(えぐ)る〉◆三浦綾子さんは小説「泥流地帯」で火山泥流の恐ろしいさまをこう書いた。迫力ある描写は〈家が流れる。馬が流れる。鶏が流れる。人が浮き沈む〉と続く◆小説は大正15年(1926年)、北海道十勝岳の噴火による大災害の話だ。〈山津波〉とあるは取りも直さず〈土石流〉のこと。今、噴煙を上げ続けている霧島連山・新燃岳が心配だ◆宮崎地方気象台によると、きょう10日夕から11日明け方にかけて雨になり、降灰の多い地域で土石流発生のおそれがあるという◆灰が積もっていると雨水は地下にしみ通りにくく灰が泥流となって流れ出す。また「泥流地帯」を借りれば〈瞬時に二丈三丈とせりあがる。逃げられん〉速さだ◆何よりも発生しないのが一番だが、発生の予想される地域では適切な避難勧告や高齢者の援助などぬかりのないようにと祈る。

2011年2月10日14時12分  読売新聞)
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