HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 12 Feb 2011 01:12:23 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:二〇〇三年の初めごろ、エジプトで『イラク攻撃』という曲がヒ…:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 筆洗 > 記事

ここから本文

【コラム】

筆洗

2011年2月12日

 二〇〇三年の初めごろ、エジプトで『イラク攻撃』という曲がヒットした。その曲は、こんな叫びから始まる。「キファーヤ!」▼「もう、たくさんだ」という意味である。米国のアフガニスタンやパレスチナ政策などを痛烈に批判し、不公平も、戦争の口実探しも、もう、たくさんだ、イラクには手を出すな、と訴える内容。残念だが、願いは届かず、やがてイラク戦争は始まった▼けれども、それは自国指導者にも、向けたい言葉だったに違いない。なにしろ、延々三十年も続く、ムバラク大統領の圧政。首都カイロ中心部のタハリール広場などで、大統領の即時辞任を求めて続いてきた民衆デモこそ、初めて起きた「キファーヤ!」の大合唱だったといえよう▼何度も、大統領自身が「辞任」を表明するのでは、と期待し、裏切られてきた人々だ。次の選挙には出ない、などと小出しに譲歩を表明するだけで、肝心な決断をしない大統領の妙な“粘り腰”に、いいかげん焦れていたはずだ▼だが、日本時間の今日未明、ついに来るべき時が来た。ムバラク大統領退陣が発表された。あの陽気で人懐っこい人たちが、暴力ではなく、懸命に重ね合わせた声の力でつかみとった勝利を、心から祝福したい▼この上は「ムバラク後」の受け皿が気になる。分けても、民衆の側に、決定的なリーダーがいないことが心配である。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo