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党首討論 激突だけでは議論が深まらぬ(2月10日付・読売社説)

 菅首相と、谷垣自民党総裁、山口公明党代表による初めての党首討論が行われた。

 社会保障と税の一体改革が中心テーマだったが、双方とも統一地方選を意識し、従来の主張の言い合いに終始した。これでは何度やっても政策論議は深まるまい。建設的な論戦になるよう工夫してもらいたい。

 谷垣氏は、民主党の政権公約が破綻しており、消費税導入も前提にしていないと指摘した。6月に消費税を含む一体改革案をまとめた後、9月に公約を見直すというのは手順が逆だと批判した。

 山口氏も、政権公約の破綻は国民との契約違反だとして、責任をどうとるのかと追及した。

 財源の裏付けを欠く政権公約の破綻は、誰の目にも明らかだ。

 だが、首相は「従来の政権が出来なかった政策だ。バラマキではない」と強弁した。こんな姿勢で与野党協議を求めても、自民、公明両党が参加するはずがない。

 首相は政権公約の誤りを認め、早期かつ大胆に見直すことを言明すべきだ。ねじれ国会のもとでの党首討論は、党首同士が虚心坦懐(たんかい)に意見を述べ合い、難局を打開する場でもありたい。

 一方、首相は、谷垣氏に対し、社会保障改革の具体案がまとまれば与野党協議に応じるのかとただした。谷垣氏は、「国民との約束違反を手伝えというのは筋違いだ」と反論して、協議を拒み、衆院解散・総選挙を要求した。

 谷垣氏の強硬姿勢は、支持率が低迷する民主党政権の延命に手を貸す必要はないという自民党内の空気を踏まえたものだろう。

 だが、自民党には長年、政権を担当してきた政党としての責任がある。首相が「議論もしないで、まず解散では、党利優先だ」と切り返したのはもっともだ。

 政府・与党が、財源を明示した改革案を出してくれば、自民党は協議の席につくべきである。

 党首討論のもう一つの論点は、強制起訴された小沢一郎民主党元代表を巡る政治とカネの問題だった。谷垣、山口両氏は、小沢氏に対する野党の証人喚問要求に応じるよう決断を迫った。

 だが、首相は、「国会の中でしっかり議論して、いずれかの場で説明していただけるよう努力したい」と述べるにとどまった。

 首相は、国会での説明を回避し続ける小沢氏の問題に決着をつけるため、早期に証人喚問に応じる必要がある。このままでは、「何も決められない民主党」という印象を強めるばかりである。

2011年2月10日01時10分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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