HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Thu, 10 Feb 2011 01:09:24 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:初の党首討論 消費増税ありきを憂う:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

初の党首討論 消費増税ありきを憂う

2011年2月10日

 菅直人首相と谷垣禎一自民党総裁らとの党首討論。言葉の応酬こそ激しいが、消費税率引き上げに向けて互いの協力を必要とする点では足並みをそろえた。政策論議を深めるに至らないのは残念だ。

 党首討論は鳩山由紀夫前首相当時の昨年四月以来。与野党どちらが応じなかったのかは水掛け論になろうが、「熟議の国会」を掲げながら、就任後半年以上も野党党首との討論に臨もうとしなかった首相の怠慢をまず指摘したい。

 自民、民主両党首が向き合った約四十分間、通奏低音のように流れていたのは、消費税率引き上げでは協力するという共通認識だ。

 谷垣氏が、早期の衆院解散に踏み切れば、総選挙後は自民、民主両党のどちらが政権に就いても消費税率引き上げで協力し合える、と言えば、首相は衆院解散前に与野党協議をしたいと呼び掛ける。

 言葉が激しいから対立に見えても、選挙後に協力するか、選挙前に協力するかだけの違いなのだ。みんなの党の渡辺喜美代表は、これを「増税一門の八百長討論」と揶揄(やゆ)した。妙に納得がいく。

 国民が党首討論に期待したのは社会保障制度のあるべき姿や政府の役割など、国の在り方をめぐる骨太の議論ではなかったか。

 将来も持続可能で、世代間の不公平感の少ない年金、医療、介護とは何か。その財源をどうするのかという大きな制度設計だ。

 最終的に消費税増税が避けられないとしても、国民の理解を得るにはどうすればいいのか。増税前にやるべきことがあるのではないか。民主党だけで行政の無駄を削れないのなら、与野党で協力して対応すべきではないか、など。

 例えば年金では、税方式か社会保険方式か、国民、厚生、共済の公的年金を一元化するのか否かは制度の根幹にかかわる問題だ。

 首相は四月に社会保障のあるべき姿を示すとして明言を避けた。基本的な考え方すら示さないのなら、党首討論の意味がない。

 愛知県知事選、名古屋市長選など「名古屋トリプル投票」で明らかになったように、税金の集め方や使い道に対する有権者の目はより厳しくなっている。

 ともに敗者の党首二人だから、政策論議が深まらなかったのかもしれない。公明党の山口那津男代表も持ち時間十分では足りなかろう。国会は消費税増税派ばかりではない。ほかの野党党首にも出番を与えれば、より深い党首討論になるのではないか。一考を。

 

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