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2月7日付 編集手帳

 道具屋の亭主が年代物の太鼓を仕入れた。積もったホコリを払おうとしたら、あまりの汚さにあきれた女房が悪態をつく。「およしよ。ホコリがなくなりゃ、太鼓もなくなっちまうよ…」。落語『火焔(かえん)太鼓』である◆取組を触れて歩く「触れ太鼓」、早朝の「寄せ太鼓」、全取組を終えての「はね太鼓」――連綿と鳴りつづけた太鼓の音をついに途切れさせたのは、相撲界に積もった汚いホコリである◆八百長問題に揺れる日本相撲協会は、春場所の開催中止を決めた。これは「ガチンコ」(真剣勝負)か、「注射」(八百長)かと、一番一番、思案しつつ観戦しても、勝った力士に心から拍手も送れず、負けた力士を励ます言葉も出ない。中止は当然だろう◆これまでの「八百長はない」とする協会の公式見解が根底から崩れた以上、誰も彼もが怪しく思えてくるのは致し方ない。ウミを出し切ったとき、星の売買・貸借と無関係の親方は何人残り、力士は何人残るのだろう◆落語の女房ではないが、「ウミがなくなりゃ、大相撲もなくなっちまうよ」の事態になりはしないか、固唾(かたず)をのんで大掃除を見守るとする。

2011年2月7日01時35分  読売新聞)
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