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2月6日付 編集手帳

 映画『アメイジング・グレイス』(英・2006年)は、19世紀初頭、奴隷貿易の廃止に生涯を(ささ)げた実在の政治家ウィリアム・ウィルバーフォースの物語◆植民地競争時代、英国を出た帆船はアフリカ西海岸で大勢の奴隷を乗せ、カリブ海諸島などの植民地で農園主らに売却、代わりに砂糖、たばこ、コーヒーなどを持ち帰って莫大(ばくだい)な利益を上げていた。「三角貿易」は、世界史の授業で習った記憶がある◆非人道的行為だとして、議会でウィルバーフォースは奴隷貿易廃止を訴えるが、周りは全員反対。それでも、かつて奴隷船の船員だった牧師が悔恨と神への感謝を込めて作った「アメイジング・グレイス」の詞と、妻の愛情に支えられて闘い続け、1807年、ついに廃止法が成立する◆見どころは議場のシーンだ。伝統の長方形、与野党が対峙(たいじ)する格好で階段状に据えられた長椅子。かつらを着けた議員が、その場で立って論敵とやりあう。議会政治の手本のような迫力◆批判が怖くて「消費税上げ」を明言できない、国会も「熟議」とはほど遠い、などとお悩みの先生方にも、ご覧いただきたい。3月公開。

2011年2月6日01時37分  読売新聞)
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