HTTP/1.1 200 OK Date: Fri, 04 Feb 2011 20:10:03 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:記録的大雪 助け合って「克雪」を:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

記録的大雪 助け合って「克雪」を

2011年2月4日

 今冬は日本海側で大雪被害が相次いだ。信越や北陸地方でも記録的な大雪が舞い、交通がまひした。最近の暖冬傾向で油断はなかったか。助け合い、教訓をくみとりたい。四日はもう立春だ。

 一月三十日から激しさを増した雪は、北陸地方を白い世界に変えた。積雪は福井県南越前町今庄で二四四センチ、富山県氷見市で一一二センチなど、石川を含む北陸三県各地で観測史上最高を記録した。

 雪おろし中に屋根から転落するなどの事故が多発。三十日以降、三県の各地でお年寄りらが亡くなっている。JRは三県内で全面停止し、国道8号もまひ。多くの利用者が列車や自動車の中で夜を明かした。

 この冬は北陸だけでなく日本海側全域で被害が出た。消防庁によると、昨年十一月から今年一月末までの三カ月で、雪による死者は新潟十九人をトップに十三道県、八十一人に及ぶ。

 地球温暖化は、安定的だった気候を変動させてしまう。温暖化で逆に、予想できない大雪が降る可能性がある。今回の大雪を警鐘と受け止め対策を取るべきだ。

 特に、利用者を雪の中に孤立させた鉄道、国道のまひは深刻だ。JRの全面運休に「雪に弱すぎる」との批判も相次いでいる。国も含めて、原因を分析し、対応を急いでほしい。乗客やドライバーには速やかで確実な情報伝達が一番だ。そうしたサービスに、もっと力を入れてもらいたい。

 除雪態勢の弱体化も心配だ。富山県建設業協会が昨年実施したアンケートでは、四年後以降も態勢を維持できるのは四割弱。地方の建設業界は公共事業の削減で経営不振にあえぎ、機械や作業員の確保が負担になっている。このままでは除雪空白地帯が生まれかねない。国や自治体の支援が欠かせないだろう。石川県七尾市は、二〇〇九年のゲリラ豪雪の教訓から、市がリースで除雪機二十九台を確保しているほか、維持管理費を業者に支給。今回、観測史上最高の積雪七四センチを記録したが、大きな混乱は避けられたという。

 住宅や路地などの除雪、雪おろしも、高齢化が進む今、深刻な問題だ。防災ボランティアのような仕組みが必要ではないか。金沢市では、一部の自治会が大学生グループに「雪かきボランティア」を頼み、効果を上げている。

 雪国には「克雪(こくせつ)」という言葉がある。雪に負けないため、みんなで助け合いたい。

 

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