HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37040 Content-Type: text/html ETag: "b1ce3-126b-d8408b80" Expires: Thu, 03 Feb 2011 02:21:49 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 03 Feb 2011 02:21:49 GMT Connection: close 2月2日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
現在位置は
です

本文です

2月2日付 よみうり寸評

 古代ギリシャ人も万葉の時代の日本人もウナギを好んだ。が、ウナギは生まれも育ちもずっと謎だった◆アリストテレスは「ウナギは泥から生ず」と記している。日本では古くは「山芋変じてウナギとなる」などといわれていた◆そんなウナギの不思議を思えば、ニホンウナギの卵の採取に成功、産卵場所を特定したのはビッグニュース。東京大学大気海洋研究所と水産総合研究センターのお手柄だ。採取したのはマリアナ諸島のグアム島から西へ約370キロ、海底山脈「西マリアナ海嶺(かいれい)」の南端付近◆欧米のウナギは大西洋のサルガッソ海域、ニホンウナギはこの海域が産卵場所と推定されてはいたが、天然のウナギの卵を採取し、ここと特定できたのは初めて◆昨今、シラス不足で養殖の先行きが不安の折、人工孵化(ふか)、完全養殖が期待されるが、これが難しい。卵からシラスウナギまで育つのは1000分の1ほどという◆今回の採卵成功でなお謎の多い産卵環境の情報が得られる。養殖技術の発展につながるとうれしい。

2011年2月2日14時22分  読売新聞)
現在位置は
です