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2月3日付 編集手帳

 ラジオのクイズ番組『話の泉』で、「さしつさされつ、するものは?」という問いが出たことがある。徳川夢声の「蜂のケンカ」は、名答として語り草である◆(さかずき)、将棋…と、解答例はさまざまだろう。万が一にも「相撲取りの注射」などという答えがあってはならない。耳慣れない言葉を収集した国語学者、見坊豪紀(けんぼうひでとし)氏の著書『ことばのくずかご』(筑摩書房)には「注射=八百長工作を指す隠語」とある◆〈××(力士名)とあたったら、コケてもらいたい〉。大相撲の野球賭博事件で警視庁が相撲部屋を捜索して押収した力士の携帯電話から、八百長が日常的に行われていたことをうかがわせる記録が見つかった◆〈××さん(力士名)は貸しを移行してほしいみたい〉〈ダメなら20万は返してもらいたい〉――勝ち星の売り買いや貸し借りをしていなければ、こんなメールを交わすはずがあるまい◆蜂のケンカも命懸けだろうが、ファンを裏切る八百長注射の「さしつさされつ」も大相撲の一命にかかわる。まずは日本相撲協会が事実関係を明らかにするしかない。生きるも、死ぬも、それからの話である。

2011年2月3日01時14分  読売新聞)
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