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アジア杯優勝 日本サッカーの進化を見た(1月31日付・読売社説)

 アジアのチャンピオンの座をチーム一丸となって奪回した。優勝カップを高く掲げる選手たちの笑顔は輝いていた。

 サッカーのアジア杯決勝で、日本はオーストラリアを1―0で下し、2大会ぶり4度目の優勝を果たした。

 暗い話題が多い中、久しぶりに胸がすくニュースである。私たちに元気を与えてくれた代表選手たちの奮闘をたたえたい。

 決勝は一進一退の息詰まる展開だった。日本は豪州の高さを生かした攻撃に苦しんだが、GKの川島永嗣選手らが、再三のピンチを体を張って防いだ。

 延長後半、勝負を決めた李忠成選手のボレーシュートは見事だった。左サイドを突破して李選手のゴールを演出した長友佑都選手のスタミナにも驚かされた。

 ザッケローニ監督は「最高のチーム。日本の皆さんもこの代表チームを誇りに思ってほしい」と語った。屈強な相手にひるまず立ち向かった選手たちを、誰もが頼もしく思ったに違いない。

 昨年のワールドカップ(W杯)で、日本はベスト16入りを果たした。今回の代表チームの核になったのも、長友、川島選手のほか、本田圭佑、長谷部誠選手らW杯のメンバーだった。

 世界最高の舞台で、期待以上の成績を残した経験が、大きな自信になったのだろう。彼らは、劣勢になっても浮足立たずに挽回する勝負強さを身に着けていた。

 その最たる試合が、準々決勝のカタール戦だった。開催国相手の独特の雰囲気の中、警告による退場で1人少ない日本は、1点を追う苦しい展開となった。それでも2点を奪って逆転した。

 準決勝の韓国戦も延長終了間際に追いつかれ、PK戦となったが、川島選手が立て続けに相手のPKを止めた。際どい勝負を制することで、チームの結束が一段と強まった。それが、監督や選手たちが口にした「成長」であろう。

 決勝トーナメントのテレビ中継は、時差の関係から深夜、未明だったにもかかわらず、高い視聴率を記録した。

 試合のたびに強くなる日本チームに、昨日未明も大勢の国民が必死の声援を送ったことだろう。

 アジア杯を制したことで、2014年W杯への期待も膨らむ。その予選は今秋から始まる。アジアの各国は「打倒日本」を目指し、研究を重ねてくるはずだ。

 日本代表選手たちも一層、技を磨き、進化したアジア王者の力を見せつけてほしい。

2011年1月31日00時57分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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