HTTP/1.1 200 OK Date: Sun, 30 Jan 2011 03:09:41 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:<情報過多と人はいうが、情報寡少とくらべれば、天国と地獄の…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2011年1月30日

 <情報過多と人はいうが、情報寡少とくらべれば、天国と地獄のような違いだな>。司馬遼太郎さんが雑談の中で語ったこの言葉は、ジャーナリストの青木彰さんの心に刻印されたという(『ありがとう。この言葉』)▼学徒出陣した司馬さんは敗戦時、本土決戦に備える陸軍戦車部隊の小隊長だった。正しい戦況が国民に伝えられなかった時代と比べれば、情報が氾濫する戦後日本は、別の国のように見えたのだろう▼太平洋戦争の時代、新聞とラジオを封じ込めれば、政府が情報を統制するのはたやすかった。しかしインターネットが発達した今の時代は、独裁政権であっても、情報が拡散してゆくのを止めるのは難しい▼二十三年余にわたったベンアリ前大統領の独裁政権を倒したチュニジアの反政府デモの余波はエジプトに及んだ。在任期間が三十年にも及ぶムバラク大統領の退陣を求めるデモは激化する一方だが、陰の主役は、市民をデモに駆り立てた「フェースブック」などの情報交換サイトだった▼与党の本部が入ったビルが炎上、略奪が横行する首都カイロの様子を内田康特派員が生々しく伝えている。エジプトの当局は、ネットと携帯電話を遮断した▼反政府デモが、収束に向かう気配はない。統制できないインターネットの底力を見せつけられて、内心おびえているのは中東の指導者だけではないだろう。

 

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