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1月28日付 よみうり寸評

 広島と長崎の「二重被爆者」として核兵器廃絶を訴え93歳で亡くなった山口(つとむ)さんは、自らの体験や思いを多くの短歌に詠んだ。歌集の英訳版が昨年、出版されている◆〈大広島()(とどろ)きし朝明けて川流れ来る人間(いかだ)〉〈うち重なり焼けて死にたる人間の脂(にじ)みし土は乾かず〉。収められた作品は65首。1ページに1首ずつ、日本語と英訳が載っている◆山口さんが出演した記録映画の英訳を担当した米国人、チャド・ディールさんが翻訳した。一昨年夏、長崎の山口さん宅で共に暮らし、短歌の手ほどきも受けた◆英BBC放送のお笑いクイズ番組が山口さんを「世界一運が悪い男」と取り上げたことに対し、憤りが広がっている◆在英日本大使館の抗議を受け、BBCは謝罪したが、核保有国の意識の低さが悲しい◆〈許すことの重要性、人生の苦を耐えること、そして平和のために努力すること〉。山口さんに教わったすべてが込められている、とディールさんは英訳歌集の序文に記した。読者に伝わることを願う。

2011年1月28日13時54分  読売新聞)
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