HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Fri, 28 Jan 2011 22:09:43 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:ウサギを狙うワシに、小さな甲虫が、どうかウサギを食わないで…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2011年1月28日

 ウサギを狙うワシに、小さな甲虫が、どうかウサギを食わないでやってくれと嘆願する▼だが、ワシは、彼の小さいのをあなどって、平気でウサギを平らげる。怒った甲虫は、その小ささを生かした知略で、ワシがどこで卵を産んでも、ことごとく壊してしまう。それで、ついにワシは降参、甲虫のいる季節には決して産卵しなくなった…▼敵の小さいのをあなどるな。イソップ寓話(ぐうわ)に教えられずとも、私たちはそれを嫌というほど思い知らされている。甲虫よりはるかに小さなウイルスというものによって。残念だが、鳥インフルエンザの感染拡大が止まらない。宮崎県、鹿児島県に続き、愛知県豊橋市の養鶏場にも被害が出てしまった▼苦い経験から防止策には万全を期してきたはず。感染例が出た後の「封じ込め」にも種々知恵を絞ってきた。だが、その目に見えぬほど小さな敵は時に、人間のこしらえる防止の“網目”をやすやすと通り抜けてしまう▼ワシのように、相手を怒らせる非道をしたわけでもないのだから不条理だ。それでも、倦(う)まずたゆまず、できる対策をして、ウイルスとの戦いを制すしかない。さらに、この上は、文字通り「見えない敵」に警戒が必要だ。誤った風評である▼専門家によれば卵も鶏肉も安全、人への感染もまずない。妙な誤解で、さらに鶏農家を苦しめることがあってはいけない。

 

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