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1月27日付 よみうり寸評

 〈死ぬる子眉目(みめ)よし〉という。また〈死にし子顔よかりき〉ともいう。若くして死んだ子を惜しみ、いとおしく思う親の心は限りない◆この人の場合は〈眉目よし〉と思うのはご両親だけではない。話を聞いただれもがそう思った。惜しい人を亡くした。韓国人留学生・李秀(イス)(ヒョン)さんのことだ◆10年前のきのう26日、李さんとカメラマンの関根史郎さんは東京のJR山手線新大久保駅で、線路に落ちた男性を助けようとして自らの命を失った。自らを忘れ、他人に尽くす。これこそ崇高な〈忘己利他〉の行為だった◆昨夜、李さんの父・李盛大(イソンデ)さんと母・辛潤(シンユン)(チャン)さんは駅の慰霊碑に献花し、事故の時刻に現場のホームで手を合わせた◆両親は事故後、見舞金をもとに奨学金を創設、アジア16か国の青年485人を支援してきた。日韓の懸け橋を志したわが子の思いを実らせるためだ◆「息子は短い一生を終える時に大きなことをしてくれました」とご両親。この父母があって、この眉目よき子がある。家庭と育ちの大切さを思う。

2011年1月27日13時43分  読売新聞)
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