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1月28日付 編集手帳

 かつて人気を博した漫才コンビ、ツービートは文字にして1分間に630字をしゃべったという。評論家の稲垣吉彦さんが『早口の時代』と題する文章に書いている(沢田隆治編著、レオ企画『漫才ブームメモリアル』所収)◆アナウンサーがニュースを読む標準速度(1分間に300字)の2倍速でも意味するところは明瞭、観客を絶え間なく笑わせたのは、ビートたけしさんのすぐれた話術のなせる業だろう◆腕に自信のない向きは、あまり真似(まね)しないほうがよろしい。外交演説の「早口、棒読み」を批判されて、前原誠司外相が謝罪した◆もっとも、批判した野党・自民党の総大将、谷垣禎一氏の代表質問を聴けば、こちらは口ではなく、気が早い。計13回も「解散・総選挙」を首相に迫った。まずは政策を論じ、合意できるところは合意し、できないところを攻め、それでもラチがあかないときに持ち出す話だろう◆ちなみにラジオの朗読『宮本武蔵』で名人芸を(たた)えられた“間”の職人、徳川夢声の速度は1分間に150字ほどであったとか。早く回りすぎる「口」や「気」から、裂帛(れっぱく)の気合は生まれまい。

2011年1月28日01時21分  読売新聞)
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