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１月２６日付　よみうり寸評

　〈おっ、かわいいな！〉──通りすがりのビジネスマン、全く見ず知らずの忙しそうな男性が、息子をかわいいと言ってくれた◆そのとき、その子の母である「情けない母」さんは息子の障がいが判明して毎日思いつめていた。子供の手を握りしめて、行きかう車を見つめながら、いっそ飛び込もうかと思っていた◆そんなとき、あの一言で「私の子供は他人さまから見てもかわいいんだ」と気がついた。「菩薩(ぼさつ)さまが降りてきて下さったのかも知れない」と今では思っている。こんな話をいくつも収めた本ができた◆題はズバリ〈他人の何気ない一言に助けられました。〉（中央公論新社刊）。読売新聞が運営するインターネットのサイト・大手小町の掲示板・発言小町への投稿の数々だ◆落ち込み、悩んでいる時、見知らぬ人、友人、上司……の何気ない一言に救われる思いをすることがある。仕事、育児、恋愛……何であれ人生いろいろ。気の持ちよう◆何気ない一言を「目からうろこ」と受け止める感性を大切にしよう。

（2011年1月26日13時49分読売新聞）