
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38078 Content-Type: text/html ETag: "15cf5c-1682-10f01880" Expires: Wed, 26 Jan 2011 01:21:37 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 26 Jan 2011 01:21:37 GMT Connection: close
![]() ロシア空港テロ 憎悪の根を絶つ努力も必要だ(1月26日付・読売社説)ロシアの空の玄関、モスクワのドモジェドボ空港で爆破テロが起き、多数の死傷者が出た。爆発が少し早ければ、日本からの乗客が巻き込まれていたかもしれない。 一般市民を狙った無差別テロである。政治的理由は何であれ、断じて許すことはできない。 ロシア当局は、自爆テロという手口から、ロシア南部、北カフカスのイスラム武装勢力による犯行との見方を強めている。 カスピ海と黒海に挟まれた北カフカスは、人口の多数をイスラム教徒が占める。スターリン時代には、多くの住民が中央アジアに強制移住させられるなどの辛酸をなめた。いまでも平均所得は国内最低水準で、貧しい地域だ。 その一角のチェチェンではソ連崩壊の際に、イスラム武装勢力が分離・独立を求め、10年以上にわたりロシア軍と戦火を交えたが、結局、武力制圧された。 北カフカスのイスラム武装勢力は、モスクワでも大規模なテロを繰り返してきた。昨年3月には地下鉄駅で連続爆破テロを起こし、犯行声明を出している。 今回も、なお首都でテロを遂行する力を維持していることを内外に示そうとしたのだろう。 ロシアは、2014年に冬季五輪、18年にはサッカーのW杯を開催する。国際行事で国威を高め、経済の近代化を図ろうとするメドベージェフ政権の足元を、脅かす狙いもあったのではないか。 徹底的な捜査とともに、空港の警備体制を強化するなど、ロシア当局はテロ対策に万全を期してもらいたい。 ロシア政府の強硬一辺倒の対応が、イスラム武装勢力を過激化させた面も見逃せない。国際テロ組織アル・カーイダとも共闘し、イスラム法に基づく国家の樹立を目標に掲げるまでになっている。 チェチェンを武力制圧したロシアは、親ロシア派のカディロフ氏を地元の指導者に据えた。国際人権団体などは、カディロフ氏が私兵を使い、営利目的での女性の誘拐や反体制派の暗殺を実行している、と非難している。 こうした人権侵害や貧困をもたらしたロシアの支配に対する積年の不満が、終息しないテロの背景にはあるのだろう。 メドベージェフ大統領は、北カフカス問題の解決には、「住民の生活を改善するための社会基盤整備も急務だ」と認めている。テロをなくすため、憎しみや不満の芽を摘み取っていく努力が、ロシア政府には求められている。 (2011年1月26日01時17分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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