HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Wed, 26 Jan 2011 03:12:03 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:かつてモスクワの玄関口はシェレメチェボ空港だった。オウム真…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2011年1月26日

 かつてモスクワの玄関口はシェレメチェボ空港だった。オウム真理教事件の取材で十六年前に出張した時、入国審査に二時間近く待たされた記憶がある▼出国時は、空港職員から嫌がらせのようにトランクを開けさせられ、不快な思いもした。施設は古くて薄暗く、国営体質が染み込んだ職員の対応も怠慢、無愛想で有名だった。外国の航空会社から見切りを付けられるのは時間の問題だった▼各国の航空会社は設備の整ったドモジェドボ空港に次々と乗り入れ先を変更。空港直通のシャトル列車もあり、年間千八百万人が利用する近代化された空港にテロリストの刃(やいば)が向かった▼少なくとも三十五人が死亡、百八十人が負傷する惨事はロシア南部北カフカス出身者とみられる男三人が自爆テロにかかわっていた疑いが強い。三人はイスラム武装組織のメンバーとみられている▼爆発物には無数の金属片が含まれ、利用客の殺傷自体が目的のようだ。わずかな時間差で日航機が離着陸していた。多くの日本人が巻き添えになる可能性もあっただけに、遠い国の出来事とは思えない▼新鋭の国際空港を無差別殺傷の舞台に選んだのは、ロシア政権に効果的な打撃を与えたい武装勢力の思惑だろう。独立運動を踏みにじられた憎悪がテロを生み、新たな犠牲者をつくる。平和を手にするまで、どれだけの代償が払われるのだろうか。

 

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