HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37885 Content-Type: text/html ETag: "396afb-16bf-1de48800" Expires: Mon, 24 Jan 2011 21:22:13 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 24 Jan 2011 21:22:13 GMT Connection: close 鳥インフル 感染の拡大封じ込めが急務だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
現在位置は
です

本文です

鳥インフル 感染の拡大封じ込めが急務だ(1月25日付・読売社説)

 宮崎県で、またも鳥インフルエンザの感染が広がっている。

 同県内では、2007年の冬にも鳥インフルエンザが発生して、大きな被害を受けた。昨年は、牛や豚などが口蹄疫(こうていえき)に感染する被害にも見舞われている。

 それぞれ、17万羽、29万頭という大量の家畜を殺処分せざるを得ず、経済的に大打撃を被った。口蹄疫被害では、まだ事業再開のめどが立たない農家も多い。

 国内有数の畜産地域を相次いで襲った災厄に、県民、とくに畜産関係者の不安や焦燥感は計り知れない。政府と県は密接に協力してこれ以上の被害拡大を食い止めなければならない。

 今回は、宮崎市内の養鶏場で先週末、鳥が病気を起こしやすく致死率も高い「高病原性鳥インフルエンザ」に感染した鶏が見つかったのが発端だった。飼育中の鶏1万羽の殺処分が始まった。

 次いで、8・5キロ離れた養鶏場でも感染が見つかった。近隣の養鶏場を含めて、41万羽の大量殺処分が実施されている。

 鳥インフルエンザは、鳥同士の接触のほか、野鳥のフン、ウイルスが付着した人間の靴底や小動物経由などで感染が広がる。

 今回の感染ルートはまだ分からないが、農林水産省の調査チームによると、1例目の感染が起きた養鶏場の防鳥ネットに穴が開いていた。小鳥が入り込めるほどの大きさという。また、1例目と2例目の養鶏場で死んだ鶏の回収をしたのは、同一の業者だった。

 宮崎県は昨年、今回の2か所を含め大規模養鶏場の立ち入り検査を2度実施し、防鳥ネットの破損状況などを調べた。見落としはなかったか、結果を再点検して検査手法の充実に生かしてほしい。

 今季は、島根県の養鶏場でも昨年11月に鳥インフルエンザが発生している。養鶏場だけでなく渡り鳥にも、北海道から鹿児島県までの各地で鳥インフルエンザ感染が見つかっている。

 アジアでは、中国や韓国で鳥インフルエンザの感染拡大が止まらない。渡り鳥がそれを日本に持ち込んでいるとみられる。日本の養鶏場は、常に鳥インフルエンザ被害の危険にさらされている。

 渡り鳥など野鳥の感染状況は環境省が情報収集している。都道府県は、その情報をもとに、機敏な感染阻止対策を講じるべきだ。

 何より養鶏場の防疫の徹底が求められる。政府は技術と資金の両面から、防疫強化の支援策を検討する必要がある。

2011年1月25日01時30分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
現在位置は
です