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1月24日付 編集手帳

 世界のインターネット人口は、約20億人と推定されている。その4分の1に当たる5億人が利用する世界最大の交流サイトが、米国のフェースブックだ◆ハーバード大の学生が7年前に学内向けに始めた小さなサイトが急成長した。その舞台裏のドラマは公開中の映画「ソーシャル・ネットワーク」でも紹介されている◆米国には様々な社交クラブがあり、そこで作られる人脈がビジネスなどに生かされる。社交世界をネット上に移して成功したのがフェースブックだった。利用者は原則実名で情報交換する。匿名が好まれる日本のネット空間とは対照的だ◆社交の場も意味する英語の「ソサエティー」の訳語に明治の啓蒙(けいもう)思想家たちは悩んだといわれる。適切な言葉がなかったため、古い漢語の「社会」が半ば造語として当てはめられ、定着した◆もっとも、福沢諭吉はこれを「人間交際」と訳していた。参加者の個性際立つフェースブックのようなネット社会は福沢の訳語が合う。一方、発言者の顔がよく見えない日本のネット空間は「世間」とでも言うべきなのか。文化の違いについて改めて考えさせられる。

2011年1月24日01時07分  読売新聞)
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