
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 39854 Content-Type: text/html ETag: "c4657-1f3e-a7db6d40" Expires: Sat, 22 Jan 2011 22:21:05 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 22 Jan 2011 22:21:05 GMT Connection: close
![]() 膨張中国 経済力に見合った責任を果たせ(1月23日付・読売社説)豊かな経済力と強大な軍事力を後ろ盾に、超大国への道を歩む中国が自己主張を強めている。 興隆著しい中国の動きは、アジア太平洋地域における勢力分布に構造的変化をもたらしかねない。 ◆南シナ海に権益拡大 日本は中国に自制を求めつつ、覇権的な行動があれば、近隣諸国と連携し、 中国は今月上旬、海洋法規の立法化を加速させ、海上取り締まりを強化する方針を公表した。 昨年春には、台湾とチベットに限っていた「核心的利益」の適用範囲を南シナ海にも拡大した。 これに関し、オバマ米大統領は先の米中首脳会談後の記者会見で、中国の胡錦濤国家主席を前に、「東アジアでの自由航行権の確保」は米国にとって重要な利益だ、と強く訴えた。 南シナ海は東南アジアや米国、日本など各国の利害が 中国国防費は、一昨年までの21年間、2ケタ増を記録し、海、空軍の装備も大幅に強化された。 中国は長期的な海洋戦略を立てている。日本列島―沖縄―台湾―南シナ海を結ぶ「第1列島線」の内側で、制海権や制空権を確保するのが当面の目標だ。 そのため“空母キラー”と言われる対艦弾道ミサイルを開発し、複数の航空母艦を建造中だ。次世代ステルス戦闘機の試験飛行も始めている。 さらに台湾統一を念頭に、西太平洋への米軍の接近を阻止すべく「第2列島線」まで軍事的支配を拡大させることを狙っている。 尖閣諸島は「第1列島線」の内側に位置し、中国が海底油田の開発を進めている海域でもある。 ◆経済力背景に強硬姿勢 昨年9月の中国漁船衝突事件の発生以降、中国が尖閣近海に漁業監視船を頻繁に送り込んでいるのも、こうした海洋戦略に沿ったものだろう。 政府が昨年末、新たな「防衛計画の大綱」を決定し、南西諸島など また、海上保安庁が尖閣での事件を受け、海上警察権の強化など関係法令を改正し、監視や警戒態勢を強めることも当然である。 互いの主権と領土保全の尊重を決めた日中平和友好条約1条の履行を中国側に求める日本の外交努力も欠かせない。 米国や韓国、豪州、インドなど中国の軍備増強に懸念を共有する国々と、海上交通路の安全確保など域内の安全保障分野で一層、連携を深めなければならない。 最近、中国が特に強硬な姿勢を示すようになったのは、外交方針を変更したためだ。 これまでの過去20年余りの方針は、最高権力者だったトウ小平氏が唱えた、実力を隠して低姿勢を保つという「 ソ連崩壊で社会主義が退潮したため、対外的摩擦を避け、国内建設に集中する狙いがあった。 しかし、胡錦濤政権は一昨年夏、自国の国益を積極的に主張する外交姿勢へと切り替えた。 国内総生産(GDP)が日本を抜いて世界2位になった、と確実視されるほど経済力を蓄えたことが一番の理由だろう。 豊富な外貨準備を使って、米国国債の最大の購入国となっているのに加えて、最近は財政危機にあえぐ欧州諸国の国債まで買い付ける勢いだ。 胡党総書記(国家主席)が率いる現指導部は、来年秋の共産党大会で引退し、習近平国家副主席に総書記を引き継ぐと見られる。 ◆総合的な対中戦略を 中国では、少数の実業家と党・政府官僚が富と権力を独占する一方で、国民の一部は貧困にあえいでいる。 汚職の 経済開発を優先して政治改革を怠り、高圧的な対外姿勢を続けるようでは、東アジアの不安定要因になりかねない。 国際社会は、中国が民主主義・人権といった普遍的な価値観を尊重し、その国力に見合った責任を果たすよう、粘り強く働きかけて行かなければならない。 日本は、外交・安保、経済を含む総合的な観点に立った対中国戦略を構築する必要がある。 (2011年1月23日01時13分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
![]() ![]() ![]() |
![]() |
今週のPICK UPPR
![]()
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() |
▲この画面の上へ |
会社案内|
サイトポリシー|
個人情報|
著作権|
リンクポリシー|
お問い合わせ| YOMIURI ONLINE広告ガイド| 新聞広告ガイド| 気流・時事川柳(東京本社版)への投稿| 見出し、記事、写真の無断転載を禁じます Copyright © The Yomiuri Shimbun. |