HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 22 Jan 2011 22:11:29 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:名古屋市長選 自治の行方を考えたい:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

名古屋市長選 自治の行方を考えたい

2011年1月22日

 市長と議会が対立する名古屋市の出直し市長選が、あす告示される。市長をいったん辞職し「信を問い直す」という河村たかし氏の改革手法は是か非か。投票には自治の行方がかかっている。

 一昨年の市長選で最大公約だった市民税の10%減税。それを議会で一年限りに打ち切られ「不信任と同じ。もう一度、民意を聞く」と河村氏は言う。出直し選でできる限り多くの票を集め、河村改革の新たな推進力にする戦略だ。

 これに対し「独裁的だ」「市政を正常化する」と元民主党衆院議員の石田芳弘氏、元共産党参院議員の八田ひろ子氏、元市議の杉山均氏の三人が立候補する。

 名古屋では、議会解散の賛否を問う住民投票も既に告示され、愛知県知事選とともに二月六日に投開票される。

 住民投票で議会解散なら三月、そうでなくても任期満了の四月に迫った市議選と併せ、市長選が名古屋の自治の行方の岐路となる。

 河村氏ならどうなるか。勢いで市議選でも同氏が代表の地域政党「減税日本」が躍進するかもしれない。四十人を擁立し、定数七五の議会の過半数を狙っている。

 そうなれば、かつてない改革が一気に進む。減税も議員報酬の半減もかなうだろう。しかし、河村与党が多数派の議会では改革に過ちがあった時、市長に物申すことができるのか。

 逆に「反河村」の三人ならどうだろうか。

 例えば石田氏が市長となれば、応援する民主党や自民党の市議団が与党となる。議会構成が今と変わらなければ、市長と議会との対立は終息する。

 けれど、議会多数派と市長とが手を結べば、昔の相乗り市長時代に戻らないか。今の地方自治法が改正されれば、議会強化のため予算の提案権を議会側に与えるというが、実現はまだ未知数だ。

 どちらにも長所、短所があるし、河村市長続投の場合、市議選で今の議会構成が変わらなければ、不毛の対立が続く可能性もある。

 民主主義では多様な意見があって当然だし、市長と議会で意見が異なるのも正常である。しかし対立ばかりでも、議論せずなれ合うだけでも、民意が生きたことにはならない。

 四月の統一地方選では、都道府県や市区町村の首長、議員を選ぶ。名古屋決戦は、全国の有権者が自治をあらためて考える機会にもなるはずだ。

 

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