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米中首脳会談 アジア太平洋の安定に貢献を(1月21日付・読売社説)

 オバマ米大統領と中国の胡錦濤国家主席がホワイトハウスで会談し、米中関係強化を通じて「戦略的な信頼」を深めることで一致した。

 昨年来、主に安全保障分野で目立った米中関係の冷却化に歯止めをかけようという意欲の表れだろう。関係修復に向けた動きとしてひとまず歓迎したい。

 共同声明には、米国防長官の先の訪中に続いて、中国軍総参謀長が今年前半に訪米することが盛り込まれた。

 米国による台湾への武器売却に反発し、中国が停止していた米中軍事交流が全面的に元の軌道に戻ることになる。

 バイデン副大統領と習近平国家副主席の相互訪問など、米中関係全般の発展につながる道筋も、共同声明に記された。

 両首脳は、北朝鮮のウラン濃縮計画に懸念を表明し、朝鮮半島の非核化を目指す原則的立場を改めて確認した。気候変動など地球規模の課題の協力でも一致した。

 今回の首脳会談に合わせて、米中の企業間では、総額450億ドル(約3兆7000億円)の大型商談もまとまった。世界第1位の経済大国・米国と、第2位が確実になった中国との相互依存関係が、一段と深まるのは間違いない。

 だが、重要な懸案では、対立も残っている。

 たとえば、中国の外洋進出をめぐる問題だ。

 オバマ大統領は会談後の記者会見で、「東アジアに関しては、航行の自由の維持が、米国にとっての重要な利益となる」と述べ、中国の軍事的進出を牽制(けんせい)した。

 これに対し、胡主席は、「主権尊重」や「領土保全」を強調した。中国側には、方針転換する意図がないということだろう。

 中国は、経済力に見合う軍事力や政治力を急速に獲得しようとしている。胡主席が「核心的利益」と表現した台湾や、さらに南シナ海などをめぐる情勢次第では、米中間の緊張が高まる可能性は排除できない。

 このほか、人民元の為替相場について、大統領は「過小評価されている」と切り上げの加速化を求めたが、胡主席は明言を避けた。人権問題でも、中国は米国との対話に同意しただけだ。

 米中両国は、懸案の解決に粘り強く取り組む必要がある。日本にとっても、米中関係の安定化が望ましい。米中両国が一層の信頼関係を築くことが、アジア太平洋地域だけでなく、世界の平和と安定に寄与しよう。

2011年1月21日01時13分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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