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1月19日付 よみうり寸評

 チュニジアの首都チュニスはフェニキアの女神の名に由来する。その北アフリカの女神の地で〈ジャスミン革命〉が起きた。国の花の名にちなんで、そう呼ばれるが、芳香を放つような話とは遠い◆23年に及ぶベンアリ大統領の独裁政権が崩壊した。大学を出ても職に就けない青年の焼身自殺が発端。道で野菜を売る生計を警官に禁じられ抗議したもの◆事件は携帯メールなどで瞬時に広まる。長い強権政治に不満は積もっていた。若者に職はなく、それに食料品の高騰が重なった。抗議デモに警官が発砲、死傷者が出て反発を強めた◆大統領一族の腐敗、贅沢(ぜいたく)な生活がインターネットで暴露された。その情報のめぐる速さが崩壊に拍車をかけたともいえる◆チュニジアは1956年、フランスから独立、ブルギバ初代大統領の独裁も30年に及んだ。思えばリビア、エジプトなど近隣には同様な長期政権がある◆指導者たちは連鎖を警戒しているようだ。〈花に十日の紅なし、権は十年久しからず〉という。長い政権は必ず腐る。

2011年1月19日13時54分  読売新聞)
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