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1月20日付 編集手帳

 活動弁士として活躍した故・丸山章治さんの句に〈臘梅(ろうばい)のあわてふためき咲きにけり〉とある。ロウバイと「狼狽」を掛けている。ロウバイが見ごろを迎えたという便りが、各地から届く季節である◆きょうは「大寒」、一年でいちばん冷え込みの厳しい頃に咲くその花にはたしかに、春を待ちかねて小走りになったような「あわてふためき…」の感じが、ないでもない。半透明の(ろう)を引いたような光沢のある薄黄色の花びらは春の先触れでもある◆季節が前のめりでやってくるといえば、プロ野球の話題もそうだろう。日本ハムに入団した斎藤佑樹投手(22)(早大)の合同自主トレが世の注目を浴びて、“球春”到来も今年は駆け足のようである◆同じスポーツ新聞には、しかし、入団の喜びもつかの間、ひじを手術した新人選手や、過去の栄光に背を向けて育成枠から出直すベテラン選手など、冬に耐える人々の消息も載っていた◆丸山さんには〈立春や出世ののぞみ起りけり〉という句もある。こちらは立春と「立身」を掛けている。いまはじっと雌伏のときを過ごす人にも、やがては心弾む春の来ることを。

2011年1月20日01時24分  読売新聞)
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