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1月15日付 編集手帳

 女の尻を追いかけ回す男を、「頑張れ、頑張れ」と仲間が(はや)す。落語『三軒長屋』である。その描写に「鈴ヶ森のような騒ぎで…」とある◆「鈴ヶ森」は東京の地名、江戸時代に刑場があったことで知られる。『古典落語 小さん集』(ちくま文庫)の解説によれば、「鈴ヶ森のよう」とは大声で声援することの形容という。罪人が(やり)で突かれるとき、街道を通る連中が「頑張れ」と声を掛けたことに由来するのだとか◆前門の野党のみならず、後門の党内不満組からも槍で突かれそうな不安を抱えて、菅再改造内閣が発足した◆「消費税」など政権の最重要課題を明確にしたのはいいとしても、いかんせん、人材払底の感は否めない。野党からの目玉閣僚の一本釣り、先の参院選大敗で責めを負った人の官房長官起用、参院議長経験者の入閣、78歳と高齢の官房副長官――という異例ずくめの布陣は窮余の一策ならぬ、四策、五策と映る◆とは申せ、外交・安全保障といい、財政再建といい、一国の浮沈を分ける内閣には違いない。槍ぶすまの待つ“鈴ヶ森”国会を前に、ここはやはり「頑張れ」と声を掛けておく。

2011年1月15日01時37分  読売新聞)
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