HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 35880 Content-Type: text/html ETag: "f17e5-123a-219952c0" Expires: Wed, 05 Jan 2011 23:21:46 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 05 Jan 2011 23:21:46 GMT Connection: close 1月5日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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1月5日付 よみうり寸評

 〈女優・高峰秀子さんが三ヶ月ほど前に死去していたことが判明した〉――「私の死亡記事」(文芸春秋刊)で高峰さん自身が書いている◆〈生前「葬式は無用、戒名も不要。人知れずひっそりと逝きたい」と言っていた。その想いを見事に実践したようだ〉と続く◆その訃報が現実になったのが悲しい。雪で越年したところの多かった元日の朝刊でそれは報じられた。さすがに「三ヶ月ほど前」ではなく12月28日の死去だったが、昭和を代表する名女優の死と降る雪に昭和も遠くなりにけりと思った◆1924年、北海道函館市に生まれ、5歳で松竹映画「母」で子役デビュー。戦前の「馬」「綴方(つづりかた)教室」、戦後の映画黄金期に「二十四の瞳」「浮雲」……◆激動の昭和とともに子役から名女優への道を歩んで86歳。「葬式無用。生者は死者の為に煩わさるべからず」は親交の深かった梅原龍三郎画伯に学んだようだ◆才気あふれるエッセーで「夫・ドッコイ」と表現した夫君松山善三氏の悲しみ寂しさは察するに余りある。

2011年1月5日13時50分  読売新聞)
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