
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38201 Content-Type: text/html ETag: "a32ba-168e-fb048cc0" Expires: Thu, 30 Dec 2010 03:21:42 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 30 Dec 2010 03:21:42 GMT Connection: close
![]() 著作権の制限 知財を脅かす提言には反対だ(12月30日付・読売社説)一体何のために著作権を制約しようとしているのか。そんな疑問を拭い去ることが出来ない。 著作権法に「権利制限の一般規定」(日本版フェアユース規定)を設けるよう求めた文化審議会の小委員会の報告書がまとまった。 現在の著作権法は、許諾を得ずに著作物を利用できるケースを個別規定で明示している。私的使用のためのコピーや、教育・報道目的の引用などがそれにあたる。 これに対し報告書は、「著作物の軽微で付随的な利用」などを認める一般規定の導入を求めた。 例えば、背景に名画が写ってしまった写真をブログに載せることや、漫画キャラクターの商品化を企画する社内会議で漫画のコピーを配る行為などが許容される。 しかし、それならば新たな個別規定を追加することで十分に対応できるだろう。 審議の過程で、法務省代表の委員から、抽象的な規定では刑罰の適用は難しいと疑問の声が上がった。今後どのように条文化し、運用する考えなのだろうか。 米国には著作物の公正な利用は著作権侵害にならないとする包括的な権利制限の一般規定がある。公正か否かは、訴訟になった時に裁判所が判断する。100年以上に及ぶ判例の蓄積もある。 しかし、具体的にどのような行為がフェアユースに当たるか分からないため不便であるといった批判の声は、米国内にもある。 まして、判例の蓄積もない日本にいきなり一般規定が導入されると、解釈をめぐって混乱も起きるだろう。 報告書は、デジタル・ネット技術の急速な進歩への対応を求めた政府の知的財産推進計画2009の求めに応じて作成された。 例えば、ネットを通じてコンピューターにアクセスしデータを保存する「クラウドコンピューティング」での著作物利用についても一般規定導入に向け検討を急ぐべきだと報告書は求めている。 しかし、こうした未知の領域へのフェアユース導入は、将来、著作権者の利益を著しく損ねる恐れがある。慎重な議論が必要だ。 著作権の制限は、そのことで社会全体に大きな利益がもたらされるという国民的な合意がある場合に限られるべきだ。 一部のビジネスには有利でも、知的財産を不当に侵害しかねない一般規定の導入は許されない。知的創造活動を通じて国の発展を目指す「知財立国」にも逆行するものと言わざるを得ない。 (2010年12月30日01時22分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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