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12月26日付 編集手帳

 「検察庁の看板に真っ黄色のペンキがかけられたその光景を、今でも忘れられない」。検察取材の長い本紙記者が中公新書『ドキュメント検察官』(読売新聞社会部著)に書いている◆金丸信・元自民党副総裁の聴取もせず、5億円違法献金事件を罰金で済ませた検察に怒る男の仕業だった。市民の元副総裁への告発も4万件超、とまどう幹部を見て記者は「検察の考える『正義』が揺らぐ」を実感した◆1992年のこの騒動が、今では「特捜神話」崩壊の序章のように見えなくもない。大阪地検特捜部の捜査資料改ざん・隠蔽事件で神話が最終章を迎える中、最高検は検証結果を公表した。身内調査を甘いとみれば、法相の私的諮問機関「検察の在り方検討会議」は厳しい注文をつけるだろう◆ただし角を矯めて牛を殺すな、である。全面可視化で否認が増え、検事の取り調べ能力も劣化すれば真の犯罪者を取り逃がす。特捜部「解体」に至っては、ほくそ笑むのは巨悪である◆本紙に載った弁護士の話。「特捜部が目を光らせ、それでも事件がないのが幸福な社会」。そこではペンキが飛ぶこともないだろう。

2010年12月26日01時20分  読売新聞)
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