年が変わるというだけだが、やはり大きな区切りである。その時まで、もう一週間しかない▼誰かの言葉に<やることが何もないのでは楽しくない。楽しみとは、やることがいっぱいあるのに、何もしないことだ>というのがあるけれど、今ぐらい、その<楽しみ>にうってつけの時期もない▼仕事を片付け、年賀状を書き、大掃除をして…。ああ、本当にやることがいっぱいだ。でも、だからって、何もしない<楽しみ>を享受する勇気のある人は、そうはいまい。結局、時間に追われ、気忙(ぜわ)しく過ごす。それが、年の瀬である▼時間といえば、時計メーカーのシチズンが少し前、一九八〇年から十年に一度行ってきた「ビジネスマンの生活時間」に関する調査の今年分の結果をまとめた。興味深いのが「あなたの考える『遅い帰宅時間』とは何時か」という問いだ▼回答の最多は「22時」で23%、「21時」も22%いる。対して、「24時」以降は、たったの10%。八〇年の調査では実に45%がそう答えていたのに、だ。調査報告の言う通り、「午前様」はもう死語に近いのか…▼昨晩は特に、世のお父さんたちも「早帰り」だったろう。あるタクシー運転手さんによれば、昔なら繁忙日。だが年々歳々、自宅で家族と過ごす人が増え、今や、忘年会シーズンの稼ぎ時に、邪魔でならない日。それが、クリスマスイブらしい。