HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 37845 Content-Type: text/html ETag: "1005cd-1688-b8f0fbc0" Expires: Thu, 23 Dec 2010 03:21:36 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 23 Dec 2010 03:21:36 GMT Connection: close 参院選挙制度 西岡私案を基に改革論議急げ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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参院選挙制度 西岡私案を基に改革論議急げ(12月23日付・読売社説)

 議員1人あたりの有権者数の格差、いわゆる1票の格差の抜本的な是正策として、西岡武夫参院議長が22日、選挙制度改革私案を発表した。

 参院選は現在、都道府県単位の選挙区選と全国単位の比例選による2本立てだ。これを全国9ブロックの比例選に一本化する、という内容である。この案だと、5倍を超える最大格差は一挙に1・15倍に縮小する。

 大政党に比較的有利な定数1〜5の選挙区選と、小政党でも議席を確保しやすい比例選の間を取るブロック制は、各党の接点が見いだしやすい、実現可能性の高い案と言えよう。西岡私案をたたき台にして、各党は検討作業を急ぐ必要がある。

 参院はこれまで、格差是正について「4増4減」など選挙区定数の微調整で対応してきた。

 だが、有権者数が50万人を切る鳥取県と1000万人超の東京都の格差を是正するには、5人区の東京の定数を大幅に増やして20人区にしたり、1人区の鳥取を島根県と合わせて1選挙区とする「合区」にしたりするしかない。

 こうした極端な見直しを迫られる定数是正より、選挙区選の廃止をベースとする西岡私案の方が説得力がある。比例選をブロック単位にしたのは、地域性を残すとともに、ミニ政党の乱立防止を考慮したのだろう。

 ただ、ブロック制には「人口の少ない県から国会議員が出にくくなる」「全国規模の組織から支援を受ける比例議員は不利」などの理由で反対論がある。各党とも十分議論してもらいたい。

 参院の1票の格差を巡っては、先月の東京高裁「違憲」判決に続き、今月も東京、広島高裁が「違憲状態」とする判決を下した。

 2年半後の次期参院選から新制度を実施するには、周知期間の確保も考慮すると、来年の通常国会で公職選挙法を改正する必要がある。悠長な議論は許されない。

 選挙制度論議は本来、衆参両院にそれぞれどんな役割と権能を持たせるかなど、二院制のあり方や憲法の規定にまで踏み込んで議論し、その中から、望ましい選挙のあり方を探るのが筋だろう。

 参院が具体的な議論を開始したのを機に、衆院も選挙制度の抜本的な改革論議に入るべきだ。

 格差が2倍を超えている現状に対し、各高裁で「違憲」「違憲状態」判決が相次いでいる事情は衆院も同じだ。衆院でいまだに何ら議論がなされていないのは、怠慢以外の何物でもない。

2010年12月23日02時02分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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