HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 22 Dec 2010 02:10:07 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:太陽、地球、月と一直線に並び、地球の影に入った月が完全に覆…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年12月22日

 太陽、地球、月と一直線に並び、地球の影に入った月が完全に覆われる皆既月食がきのう、全国で起きた。午後四時四十分から一時間余り、ほとんど欠けた状態で東北東の空に昇った月は完全に覆い隠された、らしい▼と、いうのは東京はあいにくの曇り空。東京タワーの展望台に陣取ったものの、残念ながら見られなかった。北海道など天候が良かった地域では赤っぽい月の形が見えたようだ▼小惑星探査機はやぶさの帰還など今年は宇宙への興味が増した一年だったが、大マゼラン雲で起きた超新星爆発の名残をハッブル宇宙望遠鏡がとらえた写真が目を引いた(二十日朝刊)▼赤いリングのように見えるのは爆発で生じたガスだ。地球から十六万光年離れた超新星のリングは、毎秒五千キロの速さで膨張し続けているというから、想像を絶するスケールだ▼そんな宇宙よりも大きいものがあると、表現してきたのが文学者や思想家だ。<大海よりもなお壮大なものは大空である。大空よりもなお壮大なものは人心である>とは小説家ビクトル・ユゴー。中村天風は<広大無辺の大宇宙よりも、更に心は大きい>と語っている▼きょうは、夜の長さが一番長い冬至。スーパーの特設コーナーでも、かぼちゃやゆずなどを売り出している。一個百円で買ったゆずを湯に浮かべて、我が内なる大宇宙と対話をしてみようと思う。

 

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