HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 21 Dec 2010 22:12:32 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:深刻な経済難が続く北朝鮮では、生活苦から解放されたいがため…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年12月21日

 深刻な経済難が続く北朝鮮では、生活苦から解放されたいがために、戦争を望む民衆の声が強まっているという。本紙外報面「平壌ウオッチ」が、秘密警察出身の脱北者の話として伝えているのを読み、かつて北朝鮮に潜入した韓国人記者のルポを思い出した▼中央日報の李讃三記者は一九九〇年代に行商人や貿易商を装い北朝鮮に入った。庶民の暮らしに接し、飢えを耐え抜いている人々の中に、戦争を期待する声があるのを知った(『戦争になれば飢えは終わる』)▼「金王朝」の後継者の評価を確立する必要に迫られているのか、北朝鮮は民衆の生活そっちのけで韓国を挑発してきた。砲撃を受けた延坪島などで韓国軍はきのう射撃訓練を実施、再び緊張が高まった。戦争待望論が現実にならないことを祈るばかりだ▼朝鮮半島の緊張をよそに、日本では「一兵卒」の振る舞いをめぐって、政権党内の対立が激化している。国民を置き去りにした権力闘争である▼政権交代から二年もたたずに迎えた民主党分裂の危機。ほくそ笑む本当の「敵」を直視せず、内紛に精を出す愚かさをそろそろ自覚したらどうか▼感情的なもつれが大きくなると、だれかが「大人の対応」をしなければ収まらないだろう。ここは、三たび「脱小沢」で政権浮揚をもくろむ菅直人首相の思惑をのみ込み、一兵卒が大将に従うのが筋だと思うが。

 

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