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12月21日付 編集手帳

 詩人の吉野弘さんに、漢字を素材にした一連の作品がある。そのひとつ、題して『対決』――〈馬と(のみ)との対決/騒然!〉(思潮社『続続・吉野弘詩集』より)◆いまの政局は、巨大な馬をちっぽけな蚤が煩わせ、悶死(もんし)させようとしている図だろう。「馬」とは、昨年の衆院選で政権交代を実現させるべく有権者が民主党に投じた約6300万票である。「蚤」は、小沢一郎氏が国会で政治資金の疑惑を説明する、しない、のゴタゴタである◆蚤の駆除はたやすい。小沢氏が国会招致に応じれば済む。その簡単なことをしないで、党を割るの、割らないのと騒ぐのは笑止の沙汰というほかはない◆小沢氏は菅首相の要請もはねつけた。要はメンツの問題だろうが、政権交代という「馬」を殺してまで、「蚤」ほど小さなメンツにこだわる気持ちが分からない。小沢氏の背後には一族郎党が腕まくりして控えているという。ヤクザ映画のなかででもやってくれ、と言いたくなる◆小沢親分と血気盛んな子分衆に、吉野さんの詩をもう一つ贈ろう。題して『恥』――〈心に耳を押し当てよ/聞くに堪えないことばかり〉

2010年12月21日01時21分  読売新聞)
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