HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 18073 Content-Type: text/html ETag: "8b6f15-4699-9ac35580" Cache-Control: max-age=5 Expires: Tue, 21 Dec 2010 00:21:42 GMT Date: Tue, 21 Dec 2010 00:21:37 GMT Connection: close asahi.com(朝日新聞社):天声人語
現在位置:
  1. asahi.com
  2. 天声人語

天声人語

Astandなら過去の朝日新聞天声人語が最大3か月分ご覧になれます。(詳しくはこちら)

2010年12月21日(火)付

印刷

 今年の漢字が「暑」と聞いての反応は、ほぼ「そうそう暑かったよね」だった。肌の感覚は思い出に早変わりし、明日はもう冬至である。変調や波乱はあっても季節は巡るのに、とんと回らぬのが民主党だ▼炎夏の終わり、小欄で何度か「民主の森」の話を書いた。菅首相を森の主カブトムシに、朽ち木の洞(うろ)からニラミを利かす小沢元代表をオオクワガタに見立ててのメルヘンだ。秋の代表選はカブトの辛勝に終わり、森は平和裏に団結……かと思いきや、季節外れの虫合戦となった▼強制起訴される資金問題を国会で説明しない小沢氏に、業を煮やした菅首相が自ら説得を試みた。カナブンやら何やら、取り巻きを外しての直談判も実らず、小沢氏はあっさり突っぱねた▼カブトムシはひと夏限りの命だが、オオクワガタは絶滅危惧種の粘りかどうか、軽く越冬する。小沢氏も、昔ながらの手法を批判されながら何度も冬をしのいできた。今度もカブトの退場をじっと待つ腹らしい▼課題山積の中の党内抗争だ。柚湯(ゆずゆ)と南瓜(かぼちゃ)で無病息災を祈るべき寒天下に、プールで西瓜(すいか)をほおばるかの浮世離れ。とはいえ、脱小沢×親小沢の対立軸をいっぺん折らねば、日本の政治は前に進むまい。どうせ戦うならとことん、しかしさっさとお願いする▼一年で昼が最も短い冬至。ここからは日が長くなる一方ということで、一陽来復の語がある。すなわち、陰極まって陽戻る。太陽が元気を盛り返すように国政も、と願わずにはいられない。熱いならまだしも、政治がのべつ暑苦しいのはつらい。

PR情報