HTTP/1.1 200 OK Date: Mon, 20 Dec 2010 01:12:31 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:<われわれは聞いてもらうよりも、話すことのほうに熱心である…:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 筆洗 > 記事

ここから本文

【コラム】

筆洗

2010年12月20日

 <われわれは聞いてもらうよりも、話すことのほうに熱心である>とは、米国の思想家ソローが、「日記」に残した言葉だ。ついやってしまうが、言いっ放しでは対話にはならない▼先週二度目の沖縄入りをした菅直人首相。再選された仲井真弘多知事と米軍普天間飛行場の移設問題で、どんな対話をするのか。十分に準備して臨んだはずなのに思慮に欠ける発言だった▼「普天間の危険性除去を考えた時に、沖縄の皆さんにとっては辺野古はベストな選択でないかもしれないが、実現可能性も含めるとベターの選択ではないか」。この言葉を耳にして、失望しない沖縄県民は少なかったはずだ▼ベターなのは政権にとってだろう。仲井真知事が「こちらは県外へと言っておりノーということだ。ベストとかベターとかの選択ではない。すべてバッドの系列」と不快感をにじませたのも当然である▼現地の思いをくみ取るそぶりを見せていても、知事と話をしたという実績をつくり、政権の延命につなげたいという本音は見透かされている▼菅首相はきょう、小沢一郎元民主党代表と会って、衆院政治倫理審査会への出席を促すという。これも、小沢氏に首相自らが要請したという実績づくりのような気がしてならない。お互いに聞いてもらいたいという気持ちもないまま会談しても、分裂への「儀式」になるだけではないか。

 

この記事を印刷する





おすすめサイト

ads by adingo