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12月18日付 よみうり寸評

 なかなかそこまではできそうにないと思う江戸時代の心構えに〈うかつあやまり〉や〈七三の道〉がある◆人混みで足を踏まれた人が踏んだ人に「うかつでした」と謝るのが前者の意味。後者は、道路を歩く際は真ん中を譲って少し脇を歩くべしという戒めだ。相手を責めるよりトラブルの原因は自分の不注意と考えて()びる。気配りも怠らない◆人口密集地の江戸で町民がお互いギスギスせずに過ごせるよう考えられたマナーという。こうした江戸の粋を広める活動をしているNPO法人「江戸しぐさ」のホームページに紹介されていた◆現代人は(はる)か江戸っ子に及ばない。年配の人に聞くと、むしろ年を追うごとに悪化しているようだ。とりわけ通勤や通学の時間帯の電車はすさまじい◆乗降時に他人をどついたり服をつかんで押しのけたりする。中には「邪魔だ」とどう喝する人までいて、知人のひとりは「駅のホームの端は怖くて歩けない」◆年末は誰もが忙しい。帰省や旅行の混雑も増える。江戸に学んで、ご用心。

2010年12月18日13時39分  読売新聞)
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