HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Sun, 19 Dec 2010 02:12:40 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:太平洋戦争の末期、海相として戦争終結に尽力した米内光政元首…:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 筆洗 > 記事

ここから本文

【コラム】

筆洗

2010年12月19日

 太平洋戦争の末期、海相として戦争終結に尽力した米内光政元首相が海軍兵学校を卒業した時の席次(ハンモックナンバー)は、百二十五人中六十八番だった▼兵学校の成績で昇進が決まる海軍で、「中の下」で大将になり、連合艦隊司令長官や大臣になったのは異例だった。「将の将」たる器と若い時の成績は本来、関係ないということだろうか▼ハンモックナンバー重視の人事が海軍の組織を硬直化させたといわれたが、その残滓(ざんし)は中央省庁に残る。司法試験の成績で将来が左右され、東大卒、法務省勤務の「赤レンガ組」が出世する法務・検察は筆頭かもしれない▼その検察の歴史上、前代未聞の不祥事となった大阪地検特捜部の押収資料改ざん隠蔽(いんぺい)事件で、大林宏検事総長が引責辞任することになった。後任となる笠間治雄東京高検検事長は捜査や公判の現場が長い職人肌だ▼十七年前の総長人事を思い出す。東京佐川急便から五億円を受領した金丸信自民党元副総裁を事情聴取なしで略式起訴した検察に世論の怒りが爆発。信頼回復のために起用されたのは、かつてロッキード事件などを手掛け、退官が迫っていた吉永祐介氏だった▼検察への視線の厳しさは当時の比ではない。筋書きに沿って、供述調書を強引に作成するゆがんだ捜査のあり方を現場派の新総長がどう立て直すのか。猛烈な逆風の中の船出となる。

 

この記事を印刷する





おすすめサイト

ads by adingo