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12月17日付 よみうり寸評

 〈縁は切れても血は(つな)がる。切って切れねえ母子(おやこ)の間は、眼に見えねえ結びがついて互いの一生を離れやしねえ〉――長谷川伸「(まぶた)の母」の主人公・番場の忠太郎のセリフ◆幼い時に別れた生みの母への思いを吐露している。さて、年々増加傾向にある児童虐待、昨年度は4万4211件に上った◆その子たちの瞼に父母はどんな像を結んでいるのだろうか。父母らによる児童虐待の防止のため、親権を最長2年間停止できる制度が新設される。法制審議会の部会が要綱案をまとめた。来春、法相に答申する◆親が親権を盾に児童相談所の保護に抵抗する例が少なくないからだ。親の抵抗を乗り越えなかったため、悲劇を招くこともある◆現行民法でも親権を喪失させる制度はあるが、親権剥奪は親子関係に影響が重大なため、申し立てをためらうケースが多く、08、09年度の宣告は全国で25件だ◆で、親権の喪失ではなく停止で保護をしやすくするねらい。これで親が更生し、切っても切れない親子の絆が修復できるといいが。

2010年12月17日13時55分  読売新聞)
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