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12月18日付 編集手帳

 左党に珍重される冬の味覚にナマコ(海鼠)がある。酢によく合い、その腸コノワタはカラスミ、ウニとともに三珍味といわれる。〈()(かしら)のこころもとなき海鼠かな〉。見た目はグロテスクで、江戸の俳人、去来の詠んだように一見、体の前後が判別しにくい◆美味であるかどうかはともかくも、どちらが頭で、どちらが尾っぽか、心もとない点で民主党はナマコに似ている。“一兵卒”を自認する人が、幹事長の言うことにてんで耳を貸さない◆岡田克也幹事長はきのう、小沢一郎氏に直談判し、衆院の政治倫理審査会で政治資金疑惑について説明するよう要請したが、小沢氏は応じなかった◆自分の政治資金をめぐり、自分の元秘書らが3人も逮捕・起訴され、自身も起訴を待つ人が、ただの一度も国会の場で疑惑を説明しない。幹事長が子供の使いと映る。「海鼠の化けたような…」とは醜いもののたとえだが、尊大な尾っぽが頭を振り回す政党にも比喩は当てはまる◆やはり江戸期の俳人、(ちょう)()にも一句がある。〈引き(しお)のわすれて行きしなまこかな〉。民主党を政権の磯に押し上げた民意の汐が引いていく。

2010年12月18日01時18分  読売新聞)
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