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COP16閉幕 「京都」の延長は何とか避けた(12月12日付・読売社説)

 京都議定書を単純延長するかどうかを焦点に、メキシコで開かれていた気候変動枠組み条約の第16回締約国会議(COP16)が閉幕した。

 延長問題の結論は、来年のCOP17以降に先送りされた。日本にとっては、最悪の事態をひとまず回避した形だ。

 延長反対を主張し続けた日本の姿勢が、今回の決定に少なからず影響を及ぼしたと言えよう。

 京都議定書は、温室効果ガスの排出を削減させる国際ルールだ。2012年には、対象期間の5年間が終了する。

 先進国だけに削減義務を課しているため、最大の排出国である中国は、途上国として削減義務を負っていない。先進国側では米国が離脱した。

 2大排出国が削減の対象外となっている京都議定書をこのまま延長させても、世界の排出量削減に結び付かないことは明らかだ。

 日本が「米中も参加する新たな枠組みを作るべきだ」と訴えたのは、当然のことだった。

 今回、すべての先進国、途上国を対象とする、新たな枠組みの構築を目指すことで合意に至ったのは、一定の前進といえる。

 京都議定書の単純延長を完全に封じ込めるため、日本には、新しいルール作りの議論をリードしていく努力が求められる。

 新たな枠組みの骨格は、先進国にこれまで同様、削減義務を課す一方で、途上国には、自主的な削減を求めるというものだ。

 途上国は、削減の実施状況について、国際的なチェックを受けることになる。大切なのは、抜け道を許さない精緻な検証体制を整備することだ。

 途上国の削減努力を後押しするためには、先進国からの資金・技術援助も欠かせまい。

 13年以降の枠組み作りは正念場を迎え、今後、各国の削減率などを決める協議が行われる。枠組みの内容は、公平で実効性のあるものにしなければならない。

 削減義務を負うのを拒み続けている中国に対しては、先進各国が協調し、応分の責任を負うよう働きかけを強めていく必要がある。米国が、日本などと同じく削減義務を受け入れるかどうかも、今後の焦点となるだろう。

 日本は、「20年までに1990年比で25%削減」という極めて高い削減目標を掲げている。今後の国際交渉で不利な削減義務を負わされるのを避けるためにも、この目標を、より現実的な数値に見直すことが肝要だ。

2010年12月12日01時26分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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