
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 38003 Content-Type: text/html ETag: "fffb2-1668-bf347680" Expires: Fri, 10 Dec 2010 22:21:35 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 10 Dec 2010 22:21:35 GMT Connection: close
![]() 死刑求刑に無罪 検察の甘い立証を突いた判決(12月11日付・読売社説)被告を犯人と断定するには、証拠が十分ではない。裁判官と裁判員は、こう結論付けた。 鹿児島地裁は、強盗目的で老夫婦を殺害したとして、強盗殺人罪などに問われた71歳の男性に無罪を言い渡した。 死刑が求刑された裁判員裁判で、初の無罪判決である。 判決は、「真相解明のための必要な捜査が十分に行われたのか疑問が残る」と、立証の甘さを指摘した。捜査当局にとっては、大きな失点と言えよう。 被告は、犯行を一貫して否認していた。このため、検察は、犯行現場に残っていた被告の指紋などの証拠を積み上げて、有罪に持ち込もうとした。 判決は、現場のタンスなどに被告の指紋や掌紋が付着していたことや、タンスに荒らされた形跡があることを認定した。「被告が犯行時間帯に現場に侵入し、荒らされた状態を作り出したと強く疑われる」との見方も示した。 「被害者宅に行ったことは一度もない」とする被告の供述についても「うそである」と断じた。 その一方で、判決は「被告が犯人であることを否定する事情が多々認められる」と指摘した。 特に、凶器となったスコップに被告の指紋などが残っていないことを重視した。被告の衣類などから血液反応が検出されなかったことも挙げた。 被告が老夫婦宅に侵入した証拠はあっても、2人を殺害した証拠は十分でないというわけだ。 「疑わしきは被告の利益に」という刑事裁判の原則に照らし、裁判官と裁判員は極めて慎重な判断を示したといえる。 今回の裁判は、裁判員の選任手続きから判決までに40日間を要した。これまでの裁判員裁判の中で、際立って長い日程だった。被告が否認する難しい事件のため、裁判所は時間を十分に確保して、審理を尽くそうとしたのだろう。 確かに、難事件の場合、公判の長期化は、どうしても避けられない面がある。 だが、仕事を休んだり、家事を家族に頼んだりして、裁判所に通う裁判員には、大きな負担がかかるのも事実だ。40日間も裁判のことを考え続ける心理的重圧も、想像以上のものだろう。 裁判員は記者会見で、「家族に迷惑をかけたし、仕事でも大変だった」「職場の協力があり、何とかやることができた」などと語った。こうした声を、今後の裁判員裁判の運用に生かしたい。 (2010年12月11日01時21分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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