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12月11日付 編集手帳

 黒柳徹子さんは若い頃、新聞を読むたびに思ったという。〈どうして、日本人て、細面(ほそおもて)が好きなのかなあ〉。丸顔の自分には、なかなか仕事が見つからないぞ、と。著書『トットチャンネル』(新潮文庫)で回想している◆求人欄にある「求む・事務員・細面」の細面(委細面談の略)を勘違いしたらしい。多くの漢字には読み方も意味も複数あって、まごつくこともある反面、そこが面白いところでもある◆日本漢字能力検定協会の師走恒例「今年の漢字」に〈暑〉が選ばれた。ひねりのない直球で、漢字のもつ面白みには欠けるが、多くの人の実感には違いない◆厳しい残暑のなかで民主党の代表選を勝ち抜いて再選を果たした菅首相もきのう、この1年を振り返って首相版「今年の漢字」を披露した。〈行〉という◆テレビのニュースで、首相が揮毫(きごう)したその字を見たとき、目の悪い小欄はちょっと勘違いをした。なるほどなあ、「普天間」でも、「政治とカネ」をめぐる国会招致でも、みずから腕を振るうでなし、じっと(たたず)んでいた感のある人には〈(ちょ)〉の一字がふさわしい――と。トットちゃんを笑えない。

2010年12月11日01時58分  読売新聞)
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